「嫌われる勇気」は刊行して12年以上経過しても、なぜワタシ達にささるのか。

books

こんにちは、ウチセカです。

冒頭からいきなりご注意・ご留意点です。

「嫌われる勇気」とは、「嫌われても恐れない勇気」ということです。

わざわざ人に嫌われるため勇気ではありませんので、ご注意・ご留意ください。

アドラーの教えは、「課題の分離」や「トラウマを否定する」など

言い切ってしまう言葉が多く、一見するとわかりづらく語弊も生みやすいのでしっかり読んでいただけると幸いです!

(言い切り過ぎて、登場人物も読者も激おこぷんぷん丸になります(笑))

「嫌われる勇気」という本

「嫌われる勇気」は刊行10年以上経った今もなお、多くの人に影響を与え続けている

アナタは2013年に刊行された書籍「嫌われる勇気」を読みましたか?


アマゾンリンクはこちら

この本は多くの人たちに影響を与えました。

2024年で国内売上部数340万部、Amazonレビュー数は驚愕の2.8万超え。

どれだけ多くの読者がこの本に影響を受けてきたかが分かります。

ウチセカもその内の一人で、もう三度以上は読んでますが、本当に名著

なぜなら、読んだ前後で世界の見え方が変わるからです!

なので

未だ読んでない人や積読本になっている人に「読んでみて!」というメッセージを送りたいと思います。

他にも ワタシのように内気で思うように人に伝えられない人にも読んでほしい一冊です。

このエントリーでは、本書の全体像をお伝えします!(今後、色んな重要ポイントは別途ご紹介予定)

『嫌われる勇気』の基本情報

アドラー心理学の権威、岸見一郎さんとライターの古賀史健さんとの共著として

ダイヤモンド社から2013年12月に刊行されました。


アマゾンリンクはこちら

内容は、アドラー心理学という哲学であり、人間理解の真理を平易な言葉で紐解いています。

言い換えるならば、人生の処世術、アカデミックな自己啓発書と言えます。

青年と哲人の対話物語:読み易い、分かりやすいのに深い知恵の結晶

本書は物語形式です。

人間理解の到達点として受け入れられるアドラー心理学を体得する哲人が居て、

その哲人の家に、悩み多き青年が議論を持ちかけてくるところから物語は始まります。

青年は、「人は変われない。」と主張し、

哲人(アドラー)は、「人は変われる。」と主張する。

血気盛んな青年はワタシ達の代弁者の立場で、哲人に向けて

多くの人が持つ常識や一般的な考え方を用いて、人は変われないことを力説。

一方の哲人は優しく落ち着いた言葉ですが、一つ一つが信じがたいアドラーの考えを丁寧に説明していきます。

アドラー心理学は常識や一般的な考えに対するアンチテーゼ

例えば、哲人は「トラウマは存在しない」と言います。

トラウマがあって引きこもっている人がいるとしてもそれはトラウマのせいではない。

歪んだカタチではあれ 家族の注目を一心に受けつつ、外には出たくないという目的を達成するために引きこもっているのだといいます。

引きこもる「原因」がトラウマでなく、

得られる家族の注目・外出したくない自分を肯定する「目的」のため、引きこもっているのだと。

このようにアドラー心理学は一貫して、

「目的論で人は動いている」とします。

他には

ひどいことをされた(=原因)から相手に怒る・叱責するのではなく、

ひどいことをされたので相手を屈服させたい(=目的)から、怒る・叱責という手段を使った、というのです。

このように、アドラー心理学は一般的な概念とは正反対の論理・真理です。

対話する青年も読んでいるワタシ達も同様に困惑し、理解に苦しみ、そして哲人に怒りを感じます。

一方の哲人は意に介すことなく優しく辛抱強く、対話を続けます。

果たして、青年は哲人を屈服できたのでしょうか。

「嫌われる勇気」が人気となった社会背景

(流行った時代背景を説明しているパートなので、読みたい人だけ読んで盛られえれば大丈夫です。)

アドラー心理学は当初、日本に受け入れられなかった

話変わって、心理学の歴史なんですが、心理学の三巨頭なる人達がいました。

フロイト、ユング、アドラーです。

雑にざっくり説明すると

  • フロイト:無意識の存在、トラウマ、夢判断
  • ユング:深層心理、集合的な無意識、外向型・内向型
  • アドラー:すべての悩みは人間関係、人は変われる、目的論、他者の期待を満たすために生きるな、課題の分離

フロイトやユングは教科書で習った記憶がうっすらありますが、

アドラーは本書「嫌われる勇気」ではじめて知りました。

実はそれもそのはず(海外では有名だったようですが、)

日本において、小さな学術的研究会はあっても知る人ぞ知る存在で、あまり有名ではなかったからです。

要因としては以下のように当時の日本に馴染む考え方ではなかったから、と言われています。

  • アドラー心理学は実践的手法であり、アカデミックな理論ではなく地味とされた。
  • 日本社会は和を尊ぶ文化・同調圧力・上下関係を重要視するため、反論となるアドラー心理学(他者の期待を満たすために生きるな)は馴染まなかった。

ただ日本も、時代・社会が徐々に変わっていきます。

日本社会がアドラー心理学を受け入れられる土壌ができた

■日本のバブル期以降の時代背景の遷移

時代社会的背景思想的背景
バブル期(1980〜90年前半)好景気・所有するステータス・企業は若者を大量採用努力すれば手に入る・24時間戦えますか・成功信仰
バブル崩壊〜失われた10年(1990〜2000年代前半)不況・非正規雇用の増大・国も企業も守ってくれない自己責任・社会の責任を個人の責任に転嫁
新自由主義とグローバル化(2000〜2010年代)IT革命・インターネット普及・成果主義格差は努力の差(という幻想)・孤立と格差・意識高い系
現代(2010年以降〜現在)不安の拡大・コロナ禍・SNSの繋がり孤独感の増大から繋がりを求める

バブル期までは 企業・組織の為に個人が働く時代で、社会や企業が個人を守ってくれていました。

ところが一転、バブル崩壊・不景気に転落することで、社会や企業は個人の自己責任という論調にシフトしていきます。

更に成果主義によって個人の格差は広がり、他人の目を過敏に気にしながら働く時代となり

ワタシ達は生きづらさを感じて暮らすようになりました。

日本でアドラー心理学が広まったのは「嫌われる勇気」の刊行によって。

こうした時代を10年、20年と経て、日本社会の鬱憤が溜まった2013年12月「嫌われる勇気」が刊行されました。

アドラー心理学の真理がまさにパラダイム・シフト、今までの常識を打破し、世界の見え方が変わるその教えが痛いけど気持ちよく、

書籍の構成も物語形式で読みやすく、理解しやすく工夫され、たちまち大人気となりました。

累計売上(推計)備考
2013年末初版8000部刊行開始
2016年春135万部アジア圏で翻訳版もヒット
2020年208万部ビジネス書大ヒット
2022年末284万部続編あわせ国内369万部
2024年2月296万部10年連続ベストセラー
2024年5月~2025年300万部~323万部公式発表・重版記念

このように、世の流れを見ると「嫌われる勇気」は生まれるべくして生まれた本なんだな、とつくづく感じます。

『嫌われる勇気』がワタシ達に刺さるのは、自分の中でずっとくすぶっていた“本能と理性のせめぎ合い”を言語化してくれるから。そしてその言葉が、“これからどう生きるか”を自分で選ぶ力をくれるから。

なぜ本書は世界中の多くの人々に支持されているのか?

それはこの本が、ワタシやアナタ、多くの人たちの悩み解決となる考え方を提言してくれているからです。

アドラーの提言

アドラー心理学で言われている、代表的な文言をピックアップしてみます。

  • すべての悩みは、対人関係の悩みである
  • 「原因論」ではなく、「目的論」
  • トラウマを明確に否定
  • 人はいまこの瞬間から変われるし、幸福になることができる
  • 能力が不足しているのではなく、勇気が不足していることが問題
  • 課題の分離。その課題の結果を誰が引き受けるのか。
  • 家族であっても、人の課題には一切関与しない。
  • 承認欲求を否定する
  • 対人関係のゴールは、共同体感覚。横の関係。
  • 自己受容と他者信頼と他者貢献

(意味不明な用語は別エントリでご紹介)

すべての悩みは、対人関係の悩みである

アドラー心理学の一丁目一番地の提言がこれです。

どんな悩みも、突き詰めて行くと対人関係の悩みに行き着く。

身近な問題(親子やパートナー、会社組織にコミュニテーでの対人関係の悩み)から、

引きこもりの目的も、研究分野の追求も、どの問題も、

自分以外の誰かを気にして、コンプレックスを持っているから。

自由に生きるとは、目指す自分と今の自分。

在りたい自分になるために、今の自分を受け入れてありたい自分に向かって努力・行動する。

場合によっては人に嫌われる場合もあるけど(それは他者の判断すべきことで自分にはどうしようもないと)割り切ってします。

誰かから認められたい気持ちは誰かの人生を自分の人生でやろうとすることであり違う。

人に嫌われても恐れない勇気を持って、

自分の成長のために生きたい生き方のこの今にフォーカスする。

これがアドラーの教えです。

2025年「嫌われる勇気」。アナタが見る世界を変えてください。

次はアナタの番です。

この本を読むポイントは

アナタの気持ちを青年に乗っけて、哲人と青年の対話に没入すること。

時々青年が卑屈になりすぎることが気になりますが、概ねワタシ達の心は共通している箇所も多々あるはずです。

アドラーの教えに驚き、怒り、嘆き、感心し、そして理解していきましょう!

青年と同様に胸が痛くなってくるはずですよ。

是非深く深く味わって読んでみてください。

アドラーいわく

人はいまこの瞬間から変われるし、幸福になることができる


アマゾンリンクはこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました